取締役の一人が当社を突如辞め、同業の会社を設立した上、当社の従業員を引き抜き、当社の顧客に営業をかけています。競業避止義務に違反するのではないですか。

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取締役の一人が当社を突如辞め、同業の会社を設立した上、当社の従業員を引き抜き、当社の顧客に営業をかけています。競業避止義務に違反するのではないですか。

在任中の取締役は競業避止義務を負いますが、退任した取締役はそのような義務を負いません。原則として、退任後に競業の会社を設立した場合、顧客の奪い合いは自由競争となってしまうのです。
したがって、一つには、あなたの会社の取締役に就任する際に、退任後も何年間はどこの地域で競業行為を行わないという合意を取り付けておくことが考えられます(この場合も、期間や地域が無制限だと、合意が無効となる可能性があります)。

また、この事例では、当該取締役は在任中に、既に部下の引き抜きや顧客リストの持ち出しなど独立の準備をしていたと考えられますので、これらの行為に対して損害賠償を請求する可能性は残されているといえます。